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2023年4月21日(土)大手町落語会へ。11日ぶりの落語はやっぱりいい!

開口一番 市遼「狸鯉」
信楽「出生の秘密」
文菊「あくび指南」
権太楼「幾代餅」
~仲入り~
市馬「竹の水仙」
さん喬「唐茄子屋政談」

信楽「出生の秘密」
芸協の二つ目さん。古典と新作と両方やるらしく、今日は新作。でもこのメンツで新作をかけるのは相当な勇気がいったに違いない。マクラで「今日はめったに一緒にならず、実在するかもわからないようなレジェンドと一緒で……」なんて言っていたけど、度胸満点な感じ。次に上がった文菊師に「いまの噺は何だったんだ、何も残らない」などと言われていたけれど(笑)、楽しかった。

文菊「あくび指南」
この噺はどうしてもあくびがつられるのだなぁ。今日も4-5回出てしまった。いまも「あくび」と書いているだけであくびが出る体質。それにしても文菊師の「あくび指南」はすごかった。なんか隅々まで只者ではないというか。うまさ。ちらとしか出てこない女性のとてつもない色気と妖気。それをいうなら出囃子に乗って出てくるときの足取りも、数段の段々をのぼって高座に上がるさまも、マクラも、すべて尋常ではない。

(つづき)
権太楼「幾代餅」
とてもとてもよかった。マクラで「同じ幾代餅をやっても、さん喬さんがやると人情噺になって、あたしがやると爆笑噺になる」なんておっしゃっていたけど、爆笑の前段があるからこそ、清蔵が幾代に真実を打ち明け、真心がほとばしり出るところの対比に胸をつかれる。ここは泣けたなー。ご病気だった影響を感じさせない。

市馬「竹の水仙」
竹の水仙というと喬太郎師でしか聴いたことがなかった。市馬師の竹の水仙は、亭主がなんとものんきでいい人。楽しかった。

さん喬「唐茄子屋政談」
記録を調べてみたら、なんと14年ぶり。鈴本でかけたと聞いたときには遭遇できずに残念だったけど、ここで聴けるとは。土壇場でチケット取ってよかった。この噺はかなり大勢の人が出てくるから演じ分けが大変そう。でも少しの出番の人でも人物像がありありと浮かんでくるからさすがだなあ。吉原田んぼで売り声の練習をしつつ昔を思い出すくだり。花魁との楽しい日々から自らを懸命に引き戻すように振り絞る「唐茄子や、唐茄子!」の声。甘えが抜けず、八百屋の叔父に怒鳴られていた徳三郎が(ここの場面も痺れる)、最後に「お前は何だ」と聞かれたときの、「俺は……八百屋だっ!」の魂の叫び。大好きな場面。蔵前で唐茄子をあらかた売ってくれたあの兄ぃもいいよね。大満足。

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