2023年2月3日(金)さん喬独演会@深川へ

開口一番 小きち「子ほめ」
落語 さん喬「鼠穴」
~仲入り~
落語 さん喬「浮世床」
落語 さん喬「百年目」

節分の日。入口で豆がわりの小袋柿ピーが配られる。シール付きの人はアタリで何かもらえたらしいのだが、わたしはハズレ。残念。でも5月の独演会チケットを先行販売していて、無事にいい席がゲットできたから、福はちゃんと来た。

「鼠穴」
さん喬師の独演会は基本的に三席。一席目がわりと軽めで、二席目と三席目がトリネタ級。今回は一席目で「夢」の枕を振ったので、もしや天狗裁きか……と思ったら、意外にもいきなり鼠穴。あとで話していたが、本当はまず天狗裁きやって、あとで鼠穴、と考えていたらしいのだが、それだと両方夢の噺だな……と思って、いきなり鼠穴に入ったらしい。惜しい。天狗裁きだったらわたしの記録が更新されたのに(^^)。

ともあれ、いつもながら素晴らしかった。この噺、好き。夢だからこそあらゆるドラマが詰まっていて、人間の恐ろしさ・哀しさがことのほかあぶり出される。今回は、蔵が燃えるところの描写がとくに印象に残った。炎の凄まじさ、一棟一棟が燃えていく描写の細かさ。10年の苦労が崩れ去るさまが目の前に広がるようだった。(つづく)

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(つづき)
「浮世床」
始まってびっくりした。さん喬師匠の浮世床なんて、聴いた記憶がない。終わったあとの話によると、数十年ぶりにかけたらしい。「お客様の中にも、さん喬の浮世床は聴いたことがないとお思いの方がいるのでは」。まさしく。……と思ったけれど念のためにさっき記録を調べたら、なんと一度だけ2012年に三鷹で聴いていた。記憶は当てにならないなあ。ともあれ、軽妙で、可愛らしくて、とても楽しかった。

「百年目」
以前はあまり好きな噺ではなかった。どうも最後の旦那の話が説教じみているように思えて。でも今回はすごく心に沁みた。最後のところも、栴檀と南円草云々がどうのというのじゃない。あの幼くて色が真っ黒で、算術もろくにできず、おねしょが止まらず、お灸が熱い熱いと言って泣いていた、あの少年がこんなに立派になったという、お店の旦那としての嬉しい親心を吐露する場面なのだと、ひしひしと感じられて、涙がやたら出た。あとはまあ、自分も番頭を目指さねばならないのだろうな、ということも。同じように、「あんなに遊んで、どれだけぞんざいな仕事をしているかと思えば、穴ひとつない」と言われるようになりたい、というより言われなければいけないのだろうけど、さてどうだろうかね。

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