機会あって
「火の鳥」の感想をまとめます。

バレまみれです。
どこの話かは鳥のこのツリーから。
twitter.com/konnchie/status/14
もしBTする場合は
何編かご自身でお書き下されば。

火の鳥(リプ元通りバレです) 

【未来編1】

ほぼ滅ぶ寸前だけど
そんな事ぁ忘れて地下都市で
いい感じにやってます的な人類が
マジで滅びるところから、という。

地上ズタボロのまま放置で
メガロポリスで暮らしてるあたり
普段の生活が既にムーピーゲーム
状態なので、よりその雰囲気が
助長されないようにゲーム禁止に
するあたりがなんとも滑稽。
ムーピーゲームに興じるかどうか
が問題なんじゃないというか
ムーピーゲーム禁止したら
メガロポリスの外だのなんだの
めちゃくちゃ考えて動くかと
いったらそうではなかろう。

ロックがやたらアツく語ってた
気がするが、抽象的だった記憶。
そもそもロックはロックの立場の
ままアツく語るのは偽善というか
統治者としてハレルヤ置いてる
時点で前進するとか無理だから。

リアルムーピーゲーム状態の
抜本的改革には、政策でか何か
方法はわからんけど、最終的に
人間が、ぼろぼろにした星を
ちゃんと振り返って見た上で
自分で考えて動けるように
ならないといけないし、地上が
改善されてきたら地上に戻る道も
あるし、その後ハレルヤって
お役御免になるのが自然なんで。

火の鳥(リプ元通りバレです) 

【未来編2】

自身のプログラム死みたいなもの
見据えられるAIでないと。
ゲーム禁止とか上っ面の政策だけ
出してやった気になるAIと、
それに丸投げでどうにかした気に
なってる人類じゃ未来無くて当然。
あとハレルヤまずプライド的な
もの持ってるからな。
レングードとの対立でいきなり
核戦争勃発させるAIに
希望ある方向は望めまい。

というわけで滅ぶ方向で
なんとかなる人類。
メガロポリスは、

レングード
ロシア系(レニングラードから)

ユーオーク
アメリカ系(ニューヨークから)

ピンキング
中国系(北京から)

ルマルエーズ
EU系(マルセイユから
てかラ・マルセイエーズから?)

とヤマトの5箇所っぽいが
当時、仮想敵国っていってすぐ
浮かぶのはロシアだったのねと。

で「なんか知らんけど」
残り3箇所でも勃発して
人類滅亡、というのが
なんとも戦争のリアル感でいい。
突然なんか知らんけど起こって
大量に人が死ぬんだよと。
手塚先生戦争見てきてますもんな。

火の鳥(リプ元通りバレです) 

【未来編3】

シェルターでの暮らし。
当時は今のポストゲノム時代の前
いきものの命をどうこうするとか
人工授精とか試験管ベビーとか
そういうのキーワードだったから
猿田博士の研究とかロックの設定
とかが、人間の命への向き合い方
としてひとつ提示されたんだろな
とか今にして思う。
ちなみに21世紀頃の文明に逆行
してしまった設定だったが例えば
今、21世紀の既に1/5は過ぎた。
今世紀中にブラドベリイができる
気が私はしていない。猿田スゴイ。
「でもそれじゃだめだった」
からの後半ですよな。

言うまでもないけど未来編の核は
ロックも博士もタマミもマサトの
体も死に絶えた後だよなと。
(コアセルベートの素投下した時
 まだ体は生きてたけども)

一応志高そうではあったロックや
いのちの研究をしていた猿田博士
ではなく、ムーピーゲームに
興じるようないわば一般人たる
マサトがこれを成すというのが
すごい話だなと思う。人間らしい
マサトも造物主になってからは
神扱いされちゃったりしてね。

火の鳥(リプ元通りバレです) 

【未来編4】

これ「火の鳥とは」につながると
思うんですが、火の鳥はまあ神側、
生命は礼賛する立場なんだろう
から、地球が死の星になった時に
再生の方に向かうよう力を使う、
でも単に再生させるんじゃない。

本当に再生させたいなら
神がかりの力でなんとかすりゃ
いいし、気長に自分で
コアセルベートの素海に入れりゃ
いいと思うけど、火の鳥がやった
ことは、地球の知的生命体に
永遠の命を与える、だけ。

もちろん
宇宙生命を見せられ、かつ見ても
精神崩壊しない精神である
とか条件はあるんだろうけど、
その星で生きて来た、しかも
猿田でもロックでもないマサトに
ゆだねているし賭けてるんだよね。

マサトは
「もう1度生命誕生をやれば
 この星に命が満ちるだろう」
と気づいて行動するけれども、
・体が朽ちるまでに気づかない
・気づいてもそうしない
可能性もある中で、やったんだわ。

火の鳥(リプ元通りバレです) 

【未来編5】

「その星でフツーに生きた
 知的生命体が、気づいても
 まあでもそこまでやらなきゃ
 再生しない星ならもういいか
 って思うならそれでいい」
状態なんですよね。
もちろん気づかなければアウト。
その星でそれまでに発展した
知的生命体のサンプル1が
気づかないくらいにしか発展
してない、あるいは生命誕生の
りくつをそもそも知らないとか
であれば、滅ぶようなやり方。

マサト、もう一度命よ在れっての
思う前に特に悩んだりしない
キャラなんだけど
(悩んでくれたら結構
 推せるんですけどね、親近感)
なんでもないキャラに預けられた
ってのは、いいよなあと。
ナメクジ文明で「まあ知的生命体
生まれたからいっか」とならず
ヒト型生まれるまで意識残してる
のもかわいいですよな。

火の鳥は一体なんなんだとか
不完全な神寄りの存在として
揶揄されることもあるけど
マサトに託すやり方、選択肢は
その星の命の側にあるってのが
私は決して嫌いではないんですよ。

火の鳥とは、まで行きつくと最後
未来編の話、ではなくなるので
このへんで次いきましょう。

火の鳥関連(リプ元通りバレです) 

手塚治虫「ブッダ」も描いてて
これどこまでお釈迦様の台詞
直訳なのかわからんのですが

殺人鬼に対して
ブッダこんなこと言うんですよね
「人を殺したくなったとき
 その人間は
 おまえが手をくださずとも
 いつか自然に死んでいくのだ
 と考えなさい」
「それよりおまえ自身が
 しっかり生きていくことだ」

生き死にってのは
そういう流れなんだってのを
地球規模でやったのが
未来編だとも思っていて、

もう自分に影響を与えてこない
ダメな人間に
脳のリソースを割いては
自分の人生がもったいないのだ
とかも、私はこのへんからも
学んだ気がします。

火の鳥(リプ元通りバレです) 

【黎明編】

印象に残ってるのは
グズリとヒナクが落ちた穴の話と
ニニギとヤマタイ国の話
もっといったらウズメの台詞です。

どう? 大量殺人の王様
ヤマタイ国の人間は
ちゃーんと生まれてくるんだわ

私たちはね、女よ
女には武器があるわ
勝ったあなたがたの兵士の
子供を産むこと

産まれてきた子は私たちの子よ
私たちはその子たちを育てて
いつかあなたを滅ぼすわ

子育てというのは文化の継承
でもあって、子に文化を教える側
この時代は女が、やろうと思えば
子を母の生国の民族意識をもって
育てられるのだ
兵士だけ(この時代は男だけ)
殺すのでは国は滅びない
っていうんだよね。なんという。
これしかし下手すると父殺しを
することになるんだよなあ。

ニニギに対して
制服した国の女たちを好きにする
なら、できた子をヤマタイ国の
人間として育てて復讐させるから
という脅しでもあるんだろうけど。

穴の話は、光はさして雨も降って
草も生えるけど外へはいけない
どんづまり感がもうな……
でもヤマト編で地上に出た子の
話が続いてなによりだった。

火の鳥(リプ元通りバレです) 

【ヤマト編】

暗君を絵に描いたような
ヤマトの大王がなんとも痛快。
私自身、記録をぞんざいにしたり
しかるべき段階を踏まずに
歴史を勝手に読み替えたりするの
大嫌いなので、川上タケル頑張れ
と思ってしまうのです。

今回の火の鳥はようは
殉死は権力者が命をもてあそぶ
行為にすぎないと思ってる
ってことなんだと。
まあ本心から個人的に後を追い
たい人は好きにすりゃいいけど
オグナの兄が語ったような
「映画にすると絶対泣けるぞ」
のために、べつに家族でもない
勤務先の上司のために死ぬとか
現代の感覚だと「ないわー」です。

大王も最後には
バカハシナナキャナオラナイ
って死ぬのよなあ。
死の瞬間にせめて気づけたのは
救いなのかどうか。

埴輪の話は殉死者のかわりと
いう説は社会で習ったけど
実際人権思想のかけらもない時代
権力者の悦に入りたい欲より
下々の命を優先して埴輪を使う
って発想になるのに
一体どうやったのか、うめき声が
聞こえた話も実際にあったけど
それで良心がとがめたのか……
ありきたりな感想で〆ますが
考えさせられる話だなと。

火の鳥(リプ元通りバレです) 

【鳳凰編】

結構好きなんだけど
感想として語るものがそんなに
ないかも知れない話。

私は作者の人間性と作品とを
分けて考えたいオタクなんだけど、
鳳凰編は明らかに生い立ちと
生き様が世の見え方に影響を与え
怒りの顕現として傑作となす我王
ってのを描いてるのよね。
茜丸は腕の怪我で逆に創作に
良い影響があり、鬼瓦対決までに
世の栄光まみれになって腕が鈍る
という。作者の苦労と人間性
人間性と創作がリンクする話。
私の考えとは真逆ながら
好きなのはむしろなんでだろう。

火の鳥(リプ元通りバレです) 

しばらく間があきましたが
ここで感想歓迎してくださる方もいるので続きを@つきで。
前の感想はツリー遡ってください。

なお一応時系列気にはしてたんですが
TLでも話題になってた
【ギリシャ・ローマ編】
は初期の別設定で描かれた、作風も違うやつなのでいったん割愛。
気が向いたら書きます。次へ。

火の鳥(リプ元通りバレです) 

【太陽編】

これ結末の解釈が
いまだわかりかねるので
私なりのとらえ方含めた
あらすじを書いていきますね。

舞台は2つの時代。
・飛鳥時代、
 大化の改新の後の壬申の乱
・今より未来

同じく@つきでまいります

火の鳥(リプ元通りバレです) 

【太陽編】

主人公はどちらの世界も転生して
生きた、飛鳥時代の名だとハリマ、
百済人です。今でいう
帰化をする のかな? 日本人名は
犬上宿禰<すくね>という名前です。
夢でどちらの時代の彼も
別時代の彼をみながら
物語は進行します。

百済時代に敗残兵になり
顔の皮を剥がれて
(さらっと書くには凄い展開)
狼の皮をつけられ、
……そんなもん定着するわけ
ないんですけど、定着した、
恐らく霊的な力で、ということに
なっています。で日本に渡り、
八百万の神々のうち狼の姿の神と
話せる能力を得ていると気づく。
「狗族」という名でした>神
雌狼の姿をしたマリモという神と
ちょっといい感じになったり。

当時仏教が大陸から伝来して
間もない時代、外来のものでした。
壬申の乱は仏教組織を後ろ盾と
した皇子ともうひとりの皇子の
皇位継承争いからの内乱です。
その戦いの裏で
権力とむすびついた仏教が
八百万の神を駆逐する、という
2面性のある戦争を描いています。
犬上はゆかりある狗族を守ろうと
しますが、守り切れません。

火の鳥(リプ元通りバレです) 

【太陽編】

が、これ確か史実とも合うけど
仏教組織を後ろ盾としていた方が
最後負けるはずなんだけど
勝った方も結局仏教信仰を
国家仏教として保護はし
管理していくことを決めるし
神道でもってまつりごとやってく。
この時代はあたりまえではあり
ますが、宗教と切れることはない。

あと劇中、太陽神信仰にも触れる
んですが。奇跡のようなことが
太陽神に祈ると起こったみたいな。
史実としては勝った方
狗族も含めた八百万の神を
神道として体系だてるはずで
この太陽神(天照大神か)を
上に置く前フリなのかなと。

主人公の犬上はそれこそ、
太陽神遺跡っぽいとこで、
まさに火の鳥と会うんですよ。
後で宗教の事語らせたり、未来側で
仏教相当?の人間をおさえつける
信仰として出るから、これもまた
前フリってことか。

火の鳥(リプ元通りバレです) 

【太陽編】

一方転生先の未来。これ同じ様な
時期に連載していた、私も好きな
#ダイの大冒険 をちょっと彷彿と
する展開あるのでタグつきで。
主人公、犬上(ハリマ)の転生
スグルはわかりやすく魔族側です。
劇中種族は人間だけど。
ダイもモンスター島で育って
人間と思ってたら違って……だけど。
例えを出す時はわかるように
#ダイ大 ってつけますね。

未来の時代に、たいへん隆盛な
光教団という宗教組織があり、
政治的にも力を持って、
地上で生きられるのは信徒だけ
というきまりをつくりました。
光教団のご本尊は火の鳥であり
太陽の化身、陽の光の恩恵を
受けられるのは信徒だけ、という。
信徒以外は太陽のない地下に
閉じ込められて、ネズミなどを
たんぱく源にして生きる生活を
強いられますが、スグルはこれに
反発、シャドーと呼ばれる反光の
工作員部隊に入り、最終的に教団
つぶしに成功します。

ですがシャドーのトップ、
普通の人間ですけど
#ダイ大 のバーンの立場ですよね
この人が何を言ったかというと。

#delmulin #バーン

火の鳥(リプ元通りバレです) 

【太陽編】

光教団信徒でない地下の人たちを
解放し、光にかわってここを
おさめなければならない、
そのために新しい教団を立ち上げ
自分が教祖になり信仰を利用する
と、こう言うんですね。
#ダイ大
#魔界の神 になるっていうわけ。

ただ地下からの解放を願っていた
スグルは、政教なれ合いシステム
そのものはひっくり返せないこと、
もっといったら光みたいなやつら
倒して、もうそんなことが
起こらなくするわけではなく、
単に自分たちが踏みつける側に
回るだけなんだ、それしか
トップが考えてなかったんだ、と
聞かされて絶望し、シャドーにも
特攻をかけますが、そのさなかに
なぜか頭部が狼になる。

狼姿で戦い死んだスグル……
犬上(ハリマ)の魂は
霊界でマリモと再会する
というストーリー。

#delmulin #ダイの大冒険

火の鳥(リプ元通りバレです) 

【太陽編】

逆に言ったら、少なくとも
未来の話はべつに
光教団が異教徒の地下生活政策を
強力に押し進めるのを止めれば
光教団自体は(2度としないなら)
いてもいいわけですよ。
政教分離の原則が守られるなら。
※別に集金システムではなかった
※カルトならアウトですが
(洗脳はしてたんでギリギリではあり)

#ダイ大 だって、力で語らねば
止まらない #バーン だから
戦うんで、パーティ内ですでに
人と魔と竜の融和は進んでる。
バーンと戦わなければならない
のは、ただ攻めてきてるからでは
ない、他のジャンプシステムした
敵のように武器をおさめて
融和に協力する方向にいかず、
侵略を続けて神になりかわろう、
「おさえつける状況自体は保持
 しながら、神の論理でなく
 自分の論理を通そう」
とするからなんだよね。

そんなバーンは最終回
どうなったかというと
あんなに欲した太陽に落ちて死ぬ。
近づこうとすればその身を焼く
皮肉です、最終回の時
イカロスの話を書いたのを覚えています。

#delmulin #ダイの大冒険

火の鳥(リプ元通りバレです) 

【太陽編】

宗教って集金したり洗脳したり
権力ふりかざしたりしなければ
本来は人を守るものなんですよ。
力でもって司られる宗教が
だめなんだ、そもそもそこが
切れなければ繰り返しだ、と。

印象的なのは火の鳥が語る
宗教戦争についての話。
先にも書いた通り火の鳥、
太陽信仰は過去と未来で
逆の位置づけになるんです。

史実の壬申の乱と違い
光教団はそれこそ「火の鳥が」
ご本尊なので、そんな無体や
殺し合いはやめろと言えたりも
するんですが言わない。

「人間は、どこかでいつも宗教のむごいあらそいをおこすんです」
「きりがないのです、とめようがありません」
(理由を聞く主人公)
「それはねぇ、宗教とか人の信仰ってみんな人間がつくったもの」
「そしてどれも正しいの」
「わるいのは宗教が権力とむすばれた時だけです」
「権力に使われた宗教は残忍なものですわ」
「人間の権力は人間自身の手でなくすもの」
「だから私は見ているだけ」

人間の権力は人間自身の手でなくすもの
忘れないようにしたいですね。

フォロー

火の鳥(リプ元通りバレです) 

@konchie 遅くなりましたが、年末年始に読ませてもらってました。太陽編はじっくり読んだもののひとつです。

実際の歴史と照らし合わせながら読むと面白かったので、色々考えながら読んでました。中学生くらいだったかな…それで古くからの権力と宗教の繋がり方を学んだ部分もあり…

今の時代に読むと改めて考える部分も増えて面白いですよね。

いつもいつも、こんちえさんのしっかりした意見、発言には(これに限らず)感心していたり、時に勇気づけられています。

今回のまとめと感想も読ませていただきありがとうございました。

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