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雷が鳴るたびにある光景を思い出す。実際に見たわけじゃないんだけど。田舎の伯母から聞いた話。農家の伯父に嫁いだばかりの頃、台所から納屋に続く勝手口を出たところに一部屋根の付いているところがあったらしい。ちょっとした作業をしたりもするところで、裸電球の小さな灯りと、農具も置いてあった。
ある酷い雷雨の夕方、農協の人がその勝手口に集金に来た。伯母は上がるように促したんだけれど、相手はずぶ濡れだからと断った。伯母がサイフを持って戻ってきた瞬間、雷が屋根に落ち、それが裸電球をつたって、真下に立っていた農協の人を直撃した。その人は一瞬で真っ黒になり、煙をあげて倒れたという。タイミングが悪かったら、伯母も巻き込まれていたかもしれない。
この話を聞いたのは小学校低学年の頃だったのだけれど、いまだに雷が鳴るたび、見たこともないのに、人が真っ黒になって煙をあげて倒れる姿が脳裏に浮かび、不穏な気持ちになる。

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