間もなく3ヶ月の長期滞在を終えるブラジルからの年若い友人と最後の一日。彼女の東京マップを埋めるべく、井の頭公園と吉祥寺を選んだ。あんみつ、タコ焼きを経て、伊勢屋の焼き鳥とクラフトビールを片手に公園を歩いた。〆は寿司屋。ここは海外から来た友人を必ず連れて行くところなのだけれども、たいてい話が尽きない彼らの前で乾いていく寿司をやきもきと見守らねばならない。彼女は真逆で、間髪入れずに食べる、飲む。その食べっぷりのよさに、3人には多すぎる量を頼んでしまった。「ブラジルではこれくらいがちょうどいい」と旺盛な彼女。見送りの時間まではまだ間があり、コーヒーかビールを提案。彼女の選択で、近くのパブでパイントを交わし、最後の乾杯をした。
3ヶ月かなり切り詰めた生活を送っていたのに、彼女は横浜の地ビールとお菓子を持ってきてくれた。3月の桜の下で一緒に撮った写真に筆ペンで綴った漢字交じりのメッセージを添えたカードに、いたく感激した。実はそれなりに大きな家の娘さんだったのだけれど、渡航費用は全て自分持ち。帰国後は大学とオンラインの仕事を並行し、来年はヨーロッパの市民権を取り、そして再び日本へ来るという。自分の23歳のときとは大違いだ。その独立心の高さにただただ感嘆。彼女の未来はきっと明るい。そうじゃなくちゃ。
井の頭公園の動物園のヤギ氏。自己主張強めのタイプ。