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最後に夢をみたのはいつだろう?実は、みているのに覚えていないだけかもしれない。夢みる人はよく言う。「目覚める間際まで記憶はあるけれど、身を起こすとすぐ消えちゃうんだよね」。私の場合はさらにその短縮版で、残り香的なものすらないだけなのかも。一方で、連れ合いはよく夢をみる(覚えている)。そんな連れ合いのみるリアルでカラフルな夢を羨ましく思っていた。まるで映画のようだ。仕事を終えた今朝8時、罪悪感をおぼえつつ上がりの儀式でビールをひと缶開け、ベッドにもぐり込んだ。2時間後、宅配便に起こされた。ぼんやり荷物を受け取り、ハッと気がついた。夢、覚えてる!しかも豪華三本立てだ。嬉しくて、忘れないように頭の中で反芻し、連れ合いに聞かせてやるぞと意気込んで起きてくるのを待った。午後1時。朝食と昼食とおやつの混ざったものを食べながら、あのねえ、と話し出した瞬間、どの夢もはらはらと消えていった。千切れ千切れの、言語化しづらい断片を残して。出てきた見知らぬ人の一瞬の表情、リゾート地のような湿り気、埃のような匂い、流れていた音楽も覚えているのに、なぜか明確に言葉にできない。そしてさらに1時間後の今、断片はどんどん小さくなってほとんど消えている。メモを取ろうと試みては手が止まったまま。

そしてひどく疲れている。三とおりの誰かの人生を傍観したからだろうか。心地よいだるさと言えないこともないけれど。夢の儚さ、夢の代償。比喩で使われる言葉をリアルに噛みしめている。

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