昨日は東京言語研究所の公開講座「この一文をどう訳す~翻訳の実践から規範へ」を受講しました。講師は柴田元幸先生。
“翻訳とは快楽の伝達。作品を読んで得た感動を伝えるのが大事。意味内容を多少曲げてもその感動が伝わるなら、そちらを優先することもある。ただし良い文学作品なら意味内容をそのまま伝えることが感動を伝える手段になる”
”他の言語の他者性の強調は翻訳者のエゴの拡大に通じる”などなど、格言の宝庫に、行き詰まってこんがらがっていた頭がシャキッとしました。
面白かったのが「のだ文」。「だ・である調」で訳すときに、どうしても要所要所を「のだ」で締めたくなるけれど、自己主張が過ぎるコイツの使い方には注意が必要。やはりとにもかくにも原文が何を言わんとしているのか、その流れを掴むことが大事ですね。