ベルリンでは連立の交渉が進んでいるのだけど、現政権が継続しそうな気配について案の定「なぜ得票率で第一党のCDUに変わらない?!民主主義とは?!」という声が。

確かに日本のように首長に直接投票する制度はわかりやすい。勝者総取り。それに比べるとベルリンは市長は議員の中から互選。必ずしも最大会派から決まるのではなく、今回の選挙ではどの政党も単独では過半数を越えられなかったので、連立を組めた組み合わせの党の中から決まる(必ずしもそうでもなくても良いがそれが通例)。なのでCDUがSPDなり緑の等と連立を組めればCDUが率いる連立執行部に変わる。しかしCDUは両党を相当攻撃してきたので、政策的な対立だけでなく感情的にも交渉は容易ではなく、結果的に連立を組めない可能性が高い。だからこそ相当票は落としたけれども、引き続き過半数は死守した現組み合わせに存続の目が出てくる。

日本の首長選は直接選挙なので最大得票者が首長になるのは直感的にわかりやすい。ただし地方議会選は別なので、首長の所属政党と議会の与党が異なり、ねじれが発生することがある。ベルリンの場合はねじれは起こりにくいので安定的に政権運営できるが、一方でこういう水面下の交渉は必ずしも情報公開されるわけでもないし、市民にはわかりにくい。

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しかし今後仮にCDUが連立を組めなかった場合、彼らはSPDや緑、選挙制度や選挙の運営を猛烈に批判するだろう。ただ大連立の道が断たれたとしたら、それは彼ら自身の問題でもある。
でもベルリンの選挙運営のまずさも相まって、残念ながらあまり建設的な議論にはならない未来しか予測できない。結局長期的に民主主義とか選挙というものに対する信頼が益々低下するのだろうなあ。

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