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(ネタバレ有/ながら聞きAudible)宮部みゆき、杉村三郎シリーズ『昨日も無ければ明日も無い』「絶対零度」感想 

杉村三郎は諸事情あって私立探偵を営む男性(過去シリーズのネタバレも含むため詳細は割愛)で、「娘と連絡が取れなくなった」というとある女性の依頼を受ける。調査の果て、ホモソーシャルなグループによる性暴力と、そのグループに加担する妻(フェミニズムの考えによっては、彼女もある意味”被害者”ともいえるが…)の姿が見えてくる。この作品が出版されたのは2021年で、日本でも多くのフェミニズム書が出版され始めた頃だと思う。宮部みゆきさんにその意識があるかはわからないが、ホモソーシャルとそれに寄りかからないと生きていけない女の哀れさも描いている気がした。私は杉村にグチャグチャになりながらもメールを送った女性に近い。

Audibleはナレーターが上手ければ上手いほど苦しいことも感じた。犯人の独白は、ナレーターが上手すぎて、杉村の事務所で話を聞かされている杉村が感じる「空気の重さ」を疑似体験できる。

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