「あのこと」のネタバレ感想
名前を言ってはいけない人、みたいな未婚の妊娠、そして中絶の扱い。
60年代フランスでは違法行為である中絶、劇中その違法行為の手段として用いられていたのは2022年になっても日本では使われている掻把法。まじでありえないよね。
そしてびっくりしたのは最初医者に診察してもらい、「生理が来る薬」と処方されたものは中絶させない薬だったこと、地獄過ぎない…?
アンヌは妊娠がわかって最初に言ったのは「不公平だ」ということ。
妊娠させる側は勉強やキャリアを止めることなく事が進む、将来有望だと言われる。
それに比べて妊娠する側は全てが終わることが当たり前だという認識であること。たとえ親友でも。
良いな、と思ったのは彼女が妊娠中に気になる相手とセックスをしたこと。そしてまたその描写がすごく良かった。
たまたました相手によって望まない妊娠していたとしてもそれが彼女が求める事の妨げにならない、させない、それは勉強に対してもそうだった。
アンヌを邪険にしてた同級生も自らの手で臍の緒を切り助けを呼ぶ。彼女から離れる人もいれば助ける人もいる。誰も悪くない。
私は「絶対に産まないでくれ、アンヌの意志を通してくれ」と願っていたので最終的には良かったし、「主婦になる病」というセリフは強烈だった。