「千と千尋〜」で映画中盤千尋が「お腹痛い」と寝込むシーン。
あれは初潮の事なのだそうだが、それを聞いて非常に嫌な気分になった。
女子の成長に初潮は欠かせないものではあるが、Storyboard作成の段階で、女性スタッフの見地が組み込まれていたのだろうか?と思う。
初潮は極めてプライベートで、心地悪いもの。腹痛など表層的なもので無い。私にとってそれは「もう子供ではなくなってしまった」自分が、性的な存在である事を社会から背負わされるとても悲しい出来事だった。
これから、何十年も月に一度、血がバーバー出る、という運命を背負わされて呆然とした。不公平だと泣いた。
周りの大人が「恥ずかしがっている」のが辛かった。自分は恥ずかしい存在なんだ、と思った。
今、娘と思春期の身体の変化の本を一緒に読んでいる。
娘も「嫌だ」と泣く。分かる。不安を解消するため一生懸命説明する。
客観的事実をポジティブに。
心の不安はコミュニケーションと論理思考でしか解消しない。
そんな風に初潮は女性にとって強度の精神苦痛を伴う一大事。
それを、自ら体験した事ない男性がツールとしてさらっと物語に盛り込む事に強烈な違和感を覚える。
男性作家が女子の初潮を書くのを禁ずる訳でない。ただ女性の話をもっと聞いて欲しいと思う。