マイ相 抱かれたいざわと抱きたいひざし
#マイ相
2人がけのソファで俺はスマホを、相澤は本を見ていた。
土曜日の夜はこんな過ごし方が多い。
昼まで寝て、午後から飯食ってブラついて、帰りがけにつまみを買って家で食う。
酒とつまみで体をあっためたら隣同士に座りながら各々の時間を過ごす。
同棲して随分長い。
こんな色気のない休日も増えた。
(相澤としたのいつだっけ?)
忙しさを理由にしばらくヤってない。
なんて、意識しだすとスマホ画面の内容なんて入ってこなくなる。
どう誘おうか。今日の相澤はどんな気分か。
1人でソワソワと考えていたら相澤が俺の足の甲を踏んだ。
マイ相② 抱かれたいざわと抱きたいひざし
「ショーちゃん踏んでますよ。」
「足が長くて悪いね。」
本から目を逸らさず、足の甲をくすぐるように相澤の右足が揺れる。
そのままずるずると体重を俺にかけ出して。
おやおや?これは??
「重いんですけどぉ。」
「だろうな。」
「甘えたちゃんモード?」
「べつに。」
スマホをサイドテーブルに置き抱きしめてみればデカい猫ちゃんは俺の首にスリスリと頭を擦り付けてきた。
「んふ、俺もそーいう気分。」
「なんも言ってない。」
「えぇ〜、言ってんじゃん。体全部で抱いてって甘えてきてんのにぃ。」
「してない。」
そんな可愛げゼロなこと言いつつ、お前は読みかけの本を閉じて俺に預けんの。
お前からの不器用な誘い方、ケッコー好きよ。
終