榎本幹朗 / 音楽が未来を連れてくる
榎本幹朗著『音楽が未来を連れてくる』DU Books (2021) です。
紙の本は読まないことにしているので、Apple ブックで入手して Mac と iPad mini の画面で読みました。
2021年に出版された本ですけれど、改めて読んでみました。エジソンの頃から順に、録音された音楽の再生技術の進歩と、進歩のたびに大きく影響を受けてきた音楽ビジネスについて書いてあります。以前、同タイトルの本が Kindle だけで出版されていたのですが、それと比べるとコンピューター発展の本なのかと思うくらいITに関して書き加えてありますけれど、日本でサブスクと呼んでいる最近のストリーミング定額配信について述べるとこうなるのでしょうね。
サブスクで収益が上がらない市場構造になっているとしても、「CDやレコードのビジネスに戻ろう」ではなくて、ポストサブスクを目指して次のビジネスを考えよう、という著者の主張にはうなづけますし、それを達成できた人が次の成功者になるのでしょうね。
それは音楽業界や関係者の人たちに頑張って考えてもらうとして、私は Pandra と Spotify のレコメンデーションの仕組みに興味を持ちました。とはいえ、Pandra は Last.fm と同様に後から来たビジネスマンに創業者が追い出されて面白くないサービスになってしまったようなので、残っているのは Spotify だけです。
新しいアルバムの情報がなかなか得られなくなったので、普段は海外の音楽情報サイトや、SNSでアルバムの話を投稿してくださる皆さんを参考にしています。Apple Music にもおすすめはあるのですが、いまいち同じバンドばかりが推薦される感じです。協調フィルタリングの罠・エコーチェンバーに陥っているのでしょうね。
アカウントは持っているものの無料契約しかしていない Spotify ですが、この本ではレコメンデーションのプレイリストの特徴が強調されています。そう思ってみると、「本日のおすすめ」や「Discover Weekly」、そして「Releas Rader」には、
利用頻度が低い割には面白そうなアルバムが並んでいます。新しいアルバムやアーティストを知るための情報源には良さそうです。
Spotify は検索の応答もいいですし、Web/PC/Mac 版のアプリではアーティストの情報や写真、クリップが同時に表示されるのも良いです。クリックしてから再生されるまでの応答時間も短いですし、IT能力は高そうな感じです。音質がロスレスではなくてmp3相当の圧縮音源なのが残念。
無料で使い続けると広告が頻繁に入るのですけれど、ラジオだと思って聴けば良いのかな。
ところで、出版社の DU Books はディスクユニオン・ブックスなのですね。なるほどと思いました。
榎本幹朗著『音楽が未来を連れてくる』DU Books (2021) です。新しいアルバムの情報が得られにくくなったのですが、この本を読んで Spotify のおすすめやプレイリストを活用するのも良いかもと思いました。 https://taksweblog.wordpress.com/2024/12/07/榎本幹朗-音楽が未来を連れてくる/ [参照]