あとがきたちよみ
『動物のもつ倫理的な重み――最小主義から考える動物倫理』
https://keisobiblio.com/2024/11/12/atogakitachiyomi_doubutsunomotsurinritekinaomomi/
“倫理学の議論の多くは、その関心の中心を人間に向けている。それは当然だろう、考えるべきは人間のことであって、動物が倫理的な重要性をもちうるなどという考えを真剣に受けとることはできない─そのように思う人もいるかもしれない。しかし、後に繰り返し述べるように、そのように思う人の多くも、動物には、私たちの倫理的配慮を誘発するような「何か」があるということをすでに知っているはずである。動物が単なる物体とは異なること、そしてその異なり方が、私たちのふるまいのもつ倫理的な側面に違いを与えうるものであることを、私たちはすでに知っている。”
あとがきたちよみ
『動物のもつ倫理的な重み――最小主義から考える動物倫理』
https://keisobiblio.com/2024/11/12/atogakitachiyomi_doubutsunomotsurinritekinaomomi/
“たとえば野生動物との共生の問題や外来生物がもたらす問題などのさまざまな現実的問題にたいして明確な答えを提供できないのだから、動物倫理などというのは、あやふやで話にならないと考える人もいるかもしれない。しかし、動物の倫理的な重みが理解されるという段階が欠けていることをふまえれば、こうした考えが的外れであることが分かるだろう。そのような問題は、動物倫理における応用的な問題なのであり、それは、人間をめぐる問題を論じる応用倫理の諸難問と同様である。”