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『少年が来る』 

凄惨な出来事をつづっている時にも作品全体にほのかな明るさが差している。障子紙が水面の反射を受け止めているような明るさ、これは本の頁の白さからの連想なのかもしれない。
明るさが、国家による暴力に傷つけられた人びとへの労りや優しさのように感じた。その明るさは、人びとを傷つけた国家の暴力への怒りと記憶としても差し込んでいると思った。

今ぽつぽつと読んでいる『目の眩んだ者たちの国家』の編集後記に
「何があろうと真実は消し去ることができず、悲しみはその悲しみを償うことのできる正当な理由がなければ、その涙を止めることができない」とあり、それも連想した。

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