特別企画 藤原辰史「切なさの歴史学」中編
https://web.sekaishisosha.jp/posts/2896
“私が、このように日本の負の歴史に関心を持つのは、負の歴史のリストを並べ立てて、歴史反省国家を演出し、満足するためではありません。全身全霊をかけて負の歴史に向き合うと、いま大学や企業が宣伝で垂れ流す「明るい未来」がものすごく陳腐なものに見えてきます。逆にいえば、今はたとえ実現しなくとも、理想の社会とは何かを考えておくと、どんな勉強でも楽しくなります。歴史学もそうです。なぜなら、過去には「選んではならないこと」と「選んだらよかったかもしれないこと」があふれているからです。”
特別企画 藤原辰史「切なさの歴史学」中編
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“これだけで分かりますよね。日本の近代というものはいったい何なのか。つまり、野添さんの言い方をすると常に「棄民をしてきた」、民を捨ててきた。そして、捨てていく場所すべてが、日本近代の病理が凝縮しているようなところになっている。”