宇野重吉のテレビ体験から見えてくる戦後日本メディアの連続性と変質satotarokarinona.blog.fc2.com/

“今日考えるべきはさらに続くここであろう。この原稿を書く二時間前に河上丈太郎が請願受付書で刺されたというニュースがあった。「おそろしい暴力である。ところが、今、目の前にある朝日の勇敢に、加藤シヅエ氏が「声」欄に投稿して居られるのを読むと「暴力」という言葉はこういう風に使われている。「一部の破壊的イデオロギーによって動かされる少数者が、暴力をもって政府を転覆しようとする」云々」。

「そして共産主義の「暴力」に対して「勇気をもって立ちあがろう」と訴え、自分は全面的に戦う」ことを誓っておられるのである。しかし、全学連の行動の動機と、河上さんを刺したゴロツキの動機とを区別した上での「暴力」の戒めでなければ、説得力は極めてうすい。加藤さんが「自分のおく病さの故に、心に正しいと思ったことをはっきりと表現できなかったこの数週間」に、アイクの訪日を中止させるほどの国民の力が動いたのである」。”

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 “権力とゴロツキが取り結んでの「暴力」には素知らぬ顔をしながら「共産主義の「暴力」に対して「勇気をもって立ちあがろう」と訴え」る投稿が朝日に載るというのは戦後の日本社会を象徴する一幕でもある。”

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