ぽつぽつと読んでいる。少しずつしか読めない。

歌集 小さな抵抗
殺戮を拒んだ日本兵iwanami.co.jp/book/b256483.htm

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〈講演記録〉克服できないでいる戦争体験

 “戦争礼讃者の言動は何故、今日も尚根強く生き続けられるのか。又何故、自分の子、兄弟達の大戦による死が犬死だったという立場を容れられないのか。他国への侵略行動多民族圧殺に狩り出されて死んだ事に、何故国家的意義と栄光を要求するのか。数少ない非戦論者の反戦体験・抵抗の経験が何故語られたその場限りで、波及効果を大きくなし得ないのか。”

歌集 小さな抵抗
殺戮を拒んだ日本兵
iwanami.co.jp/book/b256483.htm

「戦場において『英雄的行動』は期待効果が薄い(中略)虐殺拒否をする前に何故徴兵拒否をしなかったのか」という質問

 “この方(家永三郎)は虐殺拒否を英雄的だと仰り虐殺拒否よりも徴兵拒否の方がより一般的な若しくはよりよい行動だと指摘されました。しかし私は、虐殺拒否が英雄的行動であるなどとは全く思ってもみなかった。それは傲りである。それは兵役拒否を念頭に浮かべなかった事以上に、微塵も心に浮かばなかったことでした。この一言をきいた時、世の人々は虐殺拒否を英雄的行動と認(み)るのかと、むしろ愕然としました。当時反体制の立場に立つことによって受ける迫害はこの平和の時代に在っては到底想像もできない恐怖ではあったが、その立場に立つ事が、英雄的などと誰が念頭におき、行動するでしょうか。”

歌集 小さな抵抗
殺戮を拒んだ日本兵
iwanami.co.jp/book/b256483.htm

兵あまた黙せしままに果てたりき死なせし者の言は堆(うず)なす
「極東国際軍事裁判始まる」

iwanami.co.jp/book/b256483.htm

 “動員中の詠作は、あり合せの紙に綴り、復員に際しては、これを戎衣に縫い込めるなどして、没収をまぬがれた。短歌に知識も教養もなく又感性に欠ける兵の詠作は、いま自らが読んでみても、いかにも稚拙であり、格調を欠き、貧しい。しかし捨てかねた敗戦後の歳月であった。”

 “この、兵の戦時詠は、プロ、アマを問わず詠作の道を歩む人々から評されるとすれば、一顧されることもないであろう。むしろ、一人よがりと指弾されるかもしれない。しかし詠作者の兵本人にとっては、その折々の叫びであった。信仰と思想の萌芽の時期の記録である。”

 “(前略)復員の旧日本帝国陸軍将兵に伝達されたことは「一切の写真、日記、メモなどの所持は許さない」というものであった。兵はそれでも、揚子江左岸に点在する、敗残旧日本帝国陸軍のテント村の中で、自分の詠作を記したメモを、いくつにも分冊して軍衣袴に縫い込めた。長江左岸の芦原の中に立ち並ぶ特設便所の中で、戦友の密告を恐れながら......。幸いなことに、兵の身体検査は、将校に比べてゆるやかなものであった。”

歌集 小さな抵抗
殺戮を拒んだ日本兵
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