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教養の再生のために
honto.jp/netstore/pd-book_0252

 “つまり実は自分の場所に閉じこもって内側だけしか見ていない。外側で殺戮が行われていようが飢餓が進行していようが、内側だけを見て暮らしている。これは実は反転したオプティミズムです。この閉じこもっている自分の精神の外側にそういう事実が存在していても、それを見ないようにしている。それが平和だ、と。まったく外側の見えない状態を「アウシュヴィッツ」にたとえるなら、これは自発的な「アウシュヴィッツ」、いわば「逆アウシュヴィッツ」といえます。
 しかしその「平和」は、刻々と脅かされているんですよね。もう壊れているかもしれないのです。そこで、「もう危ないよ、もう壊れているんだよ」ということを証言するその証人が、自殺していく時代がいまの時代だということなのです。”

現代の教養とは何か──徐京植

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 “「逆アウシュヴィッツ」から抜け出ることは精神的につらいことです。しかしそうでなければ、この現代という時代、つまりすでにロマン・ロランの時代、あるいはトーマス・マンの時代からなされていた警告が、まったく無意味なままに、あたりまえのように戦争が続いて行く、そういう時代に歯止めをかけることはできないのです。そのときに、わずかな精神の自由やみずからの個人的な良心を守るだけでは、もはや済まされない、そういうことが、現代の教養に問われていることだと私は思います。”

現代の教養とは何か──徐京植

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