あとがきたちよみ
『 クィアなアメリカ史――再解釈のアメリカ史・2』
keisobiblio.com/2023/08/09/ato

 “性的に異物とみなしたものを執拗に排除しようとする植民地期のピューリタン社会が根源的に内包していた不安。特定の性的道徳に基づく社会の浄化を追求しながら、その道徳規範から外れた異性装のパフォーマーたちに喝采を送る二〇世紀初頭の都市社会。豊かさと反共主義のなかで、強制的な異性愛主義が強まっていきながら、同時に異性愛者が同性愛に強迫観念的に関心を寄せ、語り、読もうとする一九五〇年代。”

 “こうした叙述から浮かび上がってくるのは、セクシュアリティやジェンダーに基づく排除を追求してきた主流社会の歴史が、性に取り憑かれてきた人びとの歴史そのものであった、という現実である。本書を通じて問われているのは、LGBTQではなく主流社会のあり方の異常さなのである。”

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