“一九六五年二月、『文藝春秋』五三巻二号に児玉隆也の「イタイイタイ病は幻の公害病か」というルポが掲載される。それは、イタイイタイ病の主因はビタミンDの欠乏であるとする説を詳細に紹介し、カドミウム説を「魔女狩り」と比喩するもので、まさに、イタイイタイ病は萩野や原告・弁護団によって捏造された「幻の公害病」であったと結論付けるものであった。
さらに、『文藝春秋』は、同年一二月の五三巻一二号にも、「グループ一九八四年」という覆面グループによる「現代の魔女狩りー日本社会は狂っていないか」と題するルポを掲載、公害を告発し、企業に賠償を求める行為を「現代の恐喝」と表現し、イタイイタイ病裁判を「全く「非科学的」な諸基準、規制値をつくりだし、莫大な経済的負担を日本社会に負わせつつ、一部の公害告発屋、魔女狩りの狩り手たちだけを富ませる結果となった。」と全否定した。”
https://www.iwanami.co.jp/book/b223928.html