嫌な感じを再確認するために、再読するのも良いかもしれない。
“パク・ヨンミといい、金元祚といい、この人たちが記録した北朝鮮社会はオーウェルの小説を上書きしているように見える。だが私たちだって、二重思考やニュースピークから全く自由でありうるだろうか。上書き、後出しで言葉が作り替えられ、過去の事実が隠蔽される、それは今の日本でも起きていることだ。条件が揃えば『一九八四年』的状況は作り出される。だから、ある社会や集団の自由が封殺されている状況を「北朝鮮みたい」と揶揄することは、本当に無意味だと思う。”
“考えてみれば、私が長い間『一九八四年』を読むたびうんざりしてきたのは、そこに描かれているのが予想もつかない醜悪さでなく、いやというほど予想のつく醜悪さであり、それが濃縮されていたからではないだろうか。”
脱北者が読むジョージ・オーウェル
#読書
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