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『オーウェルの薔薇』を読んでいるとき、『指輪物語』が頭の片隅にあった。ホビット庄の掃蕩で、道に日陰を作ってくれる並木が切り倒されていて、サムが涙を溢れさせるところ。石像の、落とされた王の額に這う蔓草。地上から(同じ場所から)励ましを与える存在として描写されていると思う。物語全体が植物を讃えている。それはそれとして、王という仕組みは廃れていってほしい。

 “目はうつろで、彫刻された顎鬚はこわされていましたが、秀でたいかめしい額のまわりには銀と金の花冠がありました。小さな白い星々のような花をつけた蔓草があたかも倒れた王に敬意を表するように、額に巻きついていました。そして石の髪の割れ目には黄色い弁慶草が光っていました。”
評論社文庫 指輪物語7 二つの塔下 新版hyoronsha.co.jp/search/9784566

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