“沖縄県民は、あの凄惨な沖縄戦で、本土防衛のための防波堤として筆舌に尽くし難い犠牲を強いられ、終戦後も本土から切り離されて米軍の施政権下におかれました。
そして、銃剣とブルドーザーによる強制的な土地の接収を経て、広大な米軍基地に囲まれることになり、軍用機の度重なる墜落事故や米軍人等による殺人・強姦等の凶悪犯罪、燃料流出による井戸の汚染など、本土復帰までの27年間、軍事基地があるがゆえの、ありとあらゆる基地被害にさらされたのです。そしてこの間、本土の基地負担を軽減するために、日本国憲法が及ばない沖縄への基地集中が進められたのです。”
辺野古代執行訴訟 沖縄県知事の意見陳述(全文)https://ryukyushimpo.jp/news/politics/entry-2431288.html
“このような、沖縄の核基地をめぐり、差別して沖縄に核基地を設置したわけではないが、沖縄の人びとから見れば、それが差別だと受け止められるという認識に対し、社会学者の大田昌秀は、『醜い日本人──日本の沖縄意識』(サイマル出版会、一九六九年)で、沖縄に関して「日本人は醜い」と喝破し、「沖縄が、そして沖縄県民のみが、法制度的(本文傍点)に本土他府県人とは差別されている」と言い切った。大田は、「本土と沖縄との決定的なちがいは、本土の人びとが曲がりなりにも独立国として平和憲法の適用を受けて生活しているのにくらべ、沖縄では、核基地のなかで憲法の保護もなく、外国軍隊に占領され、人間としての基本的権利さえ拒否されて、現に生活している事実にある」と、沖縄への差別は単なる心情的なものではなく、法制度上の差別であることを力説した。”
第6章 「人権」の時代
1 復帰か独立か──沖縄差別論
#読書
差別の日本近現代史
包摂と排除のはざまでhttps://www.iwanami.co.jp/book/b223928.html