“要するに、人を依存症にさせるのは、物質の薬理作用ではなく、行為を通じた自己効力感の体験――心身に何らかの刺激を与え、身体感覚の変容感を介して気分調節に成功する体験――の方ではないか、ということです。そして、身体感覚の変容感を引き起こすための行為は、一定の薬理作用を持つ物質の摂取でも、あるいは、スリルと興奮を引き起こすパチンコやゲームでもよいのでしょう。”
“こう言い換えてもよいでしょう。依存症の根源には、制御不能な〈現在〉を何とか乗り越え、予測不能な〈未来〉を少しでも可視化したい、というあまりにも人間らしい、人類全体の欲望が横たわっている、と。”
人はなぜ何かにハマるのか?(松本俊彦)https://ohtabookstand.com/2023/10/saketabakoofukusyokan10/