また痛ましい事件が起きた。
自分の研究者人生をつらつら思い出すに、酷いアカハラ、パワハラにほとんど遭わずに済んだ、という僥倖をかみしめねばならない。出身研究室の先生方は皆さん良い方だったし、男女別なく「平等に就職口が少ない」分野だったので、それもあって和気藹々だったのだと思う。僕の元同僚(定年退職した女性教員)は、「私の時は、女は男の2倍の業績がないと推薦してもらえなかった」と恨み節を言っていたが、そういう人に限って、「私はもっと苦労しました」という姑根性でパワハラ、アカハラするんだよな(僕も被害者)。まさに負の連鎖。
もちろん、僕が男性であることで、差別や「壁」をそれほど意識せずに済んだ、というのもあると思う。周りを見ても、友人で指導教官と「相性」が合わず、院を辞めたり、他専攻に移ったりしたの、知っているからなあ。「ここでしか」という思い込みは危険だよな。逃げるのは恥ではない。