今日の学部ゼミの個人発表は「戦艦大和の語られ方」といった内容だった。吉田満の小説はもとより、様々な戦記物の映画もあるが、サブカル的な表象としては「宇宙戦艦ヤマト」を欠かすわけにはいかない。しかしそれだと「松本零士を媒介にした日本人論になりかねない」と危惧した僕が「映画とか戦記物とか、戦争体験者の手記とかを見て、戦争の語られ方を掘り下げて、宇宙戦艦ヤマトは一旦ペンディングしておこうね」と教育的に誘導した。
つい「昔のオタク」である僕が「宇宙戦艦ヤマトの乗組員が日本人ばかりなのは、あれは時代の制約で、輸出されてStar Blazerという名前になった時は、登場人物の名前は全部外国風になったから、そこにこだわっても無意味」「森雪だけで女性キャラを済ませていた紅一点時代はすぐに終わって、ガンダムでは複数の女性キャラが出てきたでしょ?」「そのガンダムのキャラクターデザインの安彦良和さんは実はヤマトの作画スタッフの一人でもあって、ガンダムができたときわざとヤマトの制作陣に見せつけて「俺たちのやろうとしているのはヤマトとは違うのだ」と内心思っていたそうな」などと余計な雑談を話して、時間を取ってしまった。オタク話だとどうしてもエンジンが掛かってしまう。慎まねば(笑)。

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あとで研究室でいわゆる「戦争の語られ方」に関する研究書を並べたら、結構あった。福間良明『殉国と反逆』(青弓社、2007)、同『「戦争体験」の戦後史』(中公新書、2009)、福間良明編『「知覧」の誕生』(柏書房、2015)、中村秀之『特攻隊映画の系譜学』(岩波書店、2017)吉田裕『兵士たちの戦後史』(岩波書店、2011)、成田龍一『「戦争経験」の戦後史』(岩波書店、2010)、野上元『戦争体験の社会学』(弘文堂、2006)など、まだまだ探せばあるかな。ベクトルは違うが、野田正彰『戦争と罪責』(岩波書店、1998)も挙げておくか。

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