今朝の朝日新聞で、東大の林香里先生が「新興宗教と女性」というタイトルの論説を書いていた。

asahi.com/articles/DA3S1548316

「新興宗教」というのは学術用語としては使わない方が良いのだが(多少侮蔑的なニュアンスがあるので、研究者は普通「新宗教」と書く)、様々な論者(知り合い多し)の論考を引っ張ってきてまあまあ読み応えがあるものだった。一般読者には啓蒙的な内容になっていたと思う。Twitterで私見を交えて紹介したら、結構リツイート(こちらでは「ブースト」か)された。くだらないだじゃれが万の数RTされるよりも、専門的なことをつぶやいて数百RTされる方が嬉しい、というのが学者としての気持ちです(マジよ)。

フォロー

林先生は、橋迫瑞穂さん、塚田穂高さん、山口智美さんたちの論考を引いて、「生き甲斐」を与えてしまう宗教の在り方を説いている。
私見だが、日本の新宗教は女性に「布教者」というやりがいをずっと提供してきたと思う(天理教や金光教などから)。また、それはある種の解放であったのも確か(戦前の「愛国婦人会」などにも通じると思う。家庭の外で、自分が肯定されるというのは大きい)。近代の都市化における新宗教の拡がりも女性の果たした役割は大きいし、例えば平塚らいてうの参禅なども、根っこは繋がっていると僕は思う。
あと林先生も指摘しているが、新宗教の教えには「妻は夫を立てて」というような保守的なジェンダー意識を強調するものも多い。「あなたの心がけが悪いから、旦那さんも」云々といった「心直し」の伝統は多くの教団で分け持たれている。信仰のために家族をも捨てろ、なんてことはほとんど言わない。一部のカルトだって、「今の不幸はご先祖の祟り」とかいわれて、家族を思うがゆえに信仰して、そのせいで家族が壊れるときもあるんだよね、残念ながら。

ログインして会話に参加
Fedibird

様々な目的に使える、日本の汎用マストドンサーバーです。安定した利用環境と、多数の独自機能を提供しています。