「こちらは、スクランブル交差点の信号が青になるのを待ちながら、ひたすら暑さと人混みに苛だっているのに、その女のこの土地に対する手放しの興奮ぶりはいったい何なのかと思わず舌打ちする。てめえみたいな無知な田舎者がどっと押し寄せてくるようになってから、「シブーヤ」はこれほどまでに不便な街になってしまったのではないか。」
二十一世紀の日本の首都に於ける超高層ビルの林立はその国の凋落を予言しているように思えてならない|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま https://www.webchikuma.jp/articles/-/3242