カクヨムで『近畿地方のある場所について』読んだ。小野不由美『残穢』、ケビン・コー『呪詛』、ネット怪談・洒落怖あたりを念頭に置いたであろうフェイク・ルポタージュふうネット小説。文章と構成は巧み。書籍化決定も頷ける完成度の高さなんだろうけど、まったく自分の好みではなかった。インターネットというかツイッターでウケそう/実際ウケてるっぽい要素の悉くが鼻につく。虚実の間を解くようなラストの仕掛けも二番煎じどころか三番煎じ四番煎じも甚だしく「それがどうした」としか思えない。行間から滲み出るオカルト観やホラー観からも苛立たしを覚えたし、なんかこう「怖い」「怖くない」以前の問題だったなぁ、と。