ハル・クレメントの連載エッセイ "Science for Fiction" (1977-1979)を読んだ。
新人作家中心だった短命のSF雑誌『Unearth』創刊号から最終号まで連載された全8回のうち、某アーカイブで読める7回分を読んだ。
第3回の掲載号だけがないのだが、これはおそらくウィリアム・ギブスンのデビュー作「ホログラム薔薇のかけら(Fragments of a Hologram Rose)」がその号に掲載されているからだと思う。
連載の内容はSF作家志望者に向けた科学エッセイ。もちろん科学ネタは今では情報が更新されている話が多いのだが、「(当時分かっている)科学的事実からどうやってフィクションに至るまでの想像を膨らませていくか」というのが主題なので、このプロセスに興味がある人にとっては今読んでもそれなりに楽しめる。
個人的には第2回の「遺伝子改変によって海棲人を設計するならどうなるか」という話が一番面白かった。
第1回 遺伝子改変。イントロ。
第2回 海棲人を設計する。
第3回 木星生命の話らしい(未読)。
第4回 タイタンの環境と生命。
第5回 電気反応による生命システム。
第6回 疑似科学(ヴェリコフスキー等)とSF。
第7回 透明人間を考える。
第8回 恐竜恒温説とE・R・バロウズ。