『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』観た。悪臭や汚れを纏い、最低限しか物を持たず、善意の施しを頼りにひたすら進む。それを人は巡礼と呼ぶ。種を植える…と歌う曲が流れてきたし、ちょっとジョニー・アップルシードぽかった。
「神を信じてない」ハロルドだけど、啓示に導かれた旅先の電話ボックスでもカフェでもお互いを相手に告解して、聖なる光の差す方へ。けど、巡礼者ハロルドに置き去りにされた妻がもう一人の主人公で、むしろ光が差し込まない側にいる彼女の抱えた思い生々しく突き刺さってくるの。ペネロープ・ウィルトン演じる複雑な陰影がよかった。