(ちょっとネタバレ)
狂四郎2030、狂四郎やユリカのような最下層とは違うけど、八木も歪んだ世界の特権階級で捕食者でありながら、一方では搾取される被害者でもあるとしっかり描いてるのがまた…
17巻でユリカが「どんな人間にも光と闇の部分がある。狂四郎とそれは彼自身のものではなくあらがうことのできない時代の狂気が作ったものだ。いかなる人間も免れない世界そのものの地獄が彼を巻き込んだ結果だ」と気づくシーンがあるんだけど、「悪」の原因をその人個人の資質に求めず、彼ら彼女らを取り巻く地獄の世界込みでそれぞれに心に宿す善と悪、光と闇を描き切っているのが好き
殺戮、強姦、暴力、戦争、差別の表現があるけど作者はそれらを絶対の悪として描いている、だからこそかなりきつい表現になっているので、それだけは本当に気をつけて読んでほしい