首の加瀬亮のインタビューと衆道と暴力(ネタバレあり)
加瀬亮が映画.comのインタビューで信長蘭丸、信長弥助の衆道関係について「蘭丸や弥助はひどい扱いを受けてるけど、誰が敵か味方かわからない状況に身を置く信長にとってはある種の慰めとなる存在だったんじゃないか」ということを言っていて、権力の周囲にセックスと暴力と愛が発生しやすい理由、これじゃん…と思ってけっこうガツンときた
権力者であるほど敵が多いし孤独だし、そうなると自分に絶対逆らわないであろう側近(中国史ならここに宦官とかも含む)に対して慰めを求め、心を許し、扱いも粗暴になる 信頼関係があるからこその搾取や暴力も発生する
政治的な理由で取り計らわれた婚姻関係(妻)よりも側近や側室との私的な関係性や愛が優先されるのは必然的で、それが現代的な価値観で見ると性的に乱れてるように見える
みたいな
加瀬亮の言ってることは歴史人物の行動を考える上でも応用が効くので心のメモ帳にピン留めした
首は信長の衆道関係に暴力や搾取を含むことを表しつつ、一方で信長の孤独や悲哀を描き、最後の最後で搾取される側の蘭丸の忠義と弥助の怒りを描いてて、このバランス感覚というか北野武から見るホモソーシャル世界の解像度・立体感はやっぱすげーーっと思った
首、今年見て良かった映画1位すぎる