首(ネタバレあり)
たけし秀吉かわいい
男たちの愛憎とか衆道・同性愛関係性とか打算とか業とか残酷さとか怒号とか流血とかスプラッター描写とか「侍」「武士」に象徴されるものの滑稽さとかをいっぱい描いてくれてるのに、泥まみれで汚くて怖くて人がたくさん死ぬ、ロマンを徹底して排除した戦場の描写とかサービス的な女体消費や男女のロマンスがないところとか「描かない」ものの選択もきちんとしてた この取捨選択のセンスがめちゃくちゃ「今」だなと思った
あとやっぱ歴史創作のオタクとしてここまでやっていいんだ…とかこういうこともやっていいんだ…という種類の感動があり、魂の一部がこの映画見て成仏した
総括:サンキュー北野武、フォーエバー北野武
首の天下人たち(ネタバレあり)
日本中の首を切ってその上に自分の首を置きたい(うろ)とか死ぬ最後まで首(介錯)にこだわる信長と甲冑姿で自ら首を切って死ぬ光秀に対して、下っ端の格好して顔に泥まで塗り影武者を多数用意し徹底して「死」を回避する家康の対比
首にこだわるのは信長光秀個人の問題じゃなくこの世界自体がそういうシステムなので、秀吉は清水宗治の「武士としての最期」にも付き合うし最後も首探しをしないといけないという滑稽さ
で「「首」に取り憑かれた秀吉」というシャドーとして茂助がいる(秀吉は「農民出身だから武士道はわからない」というスタンスをとるが、むしろ農民出身者だからこそ武士・侍に憧れ「首」に取り憑かれ破滅するという提示も含む)という配置
北野武…天才…