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当時新聞部の後輩の副部長が部室で語っていた記憶が一番鮮明ですが、いまや太古の高校生のころ、「自分たちのいっこ下の学年から少し変わった」というフレーズを、私を含め時折口にしていたように思います。その後も私よりずっと若い世代が同じようなことを口にしていておやと思ったことがありましたので、恐らく少なからぬ人たちが10代後半にくぐり抜ける感覚なのでしょう。

10数年間の子どもの時期に、情報と体験を次々に得て把握した「私のこの世界」と異なる、それよりも新しい別の「この世界」の存在を初めて感じたあのときから幾星霜。果てしなく増える「より新しい『この世界』」を最初は無意識に、次第に必死になって追い求める年頃がしばらくありました。

その時代も過ぎ去りつつあるいま。俗世で禄を食まねばならぬ以上はと、自ら進んで新旧の「別のこの世界」を積極的に追う稼業になお従事しておりますが、同時に個人としては、一人の頭脳では抱えきれないほどにふくれあがった「この世界」を一つずつ整理し、削り、捨てていき、彼岸にまで持って行けるたった一つの「私のこの世界」を再び構築していくプロセスに入ったことを実感しています。私にとっての漫画の作業は、そういう位置づけです。

「お盆に思う」
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