たまたま耳に入ったNHKラジオ第一のラジオドラマ、新聞社整理部の降版時間直前の何とも懐かしい怒号が飛び交っていて、若いころは紙媒体だった私は反応せざるを得ませんでした。
私のころはもう写植機から出力の棒ゲラを倍尺片手に切り貼りする時代ではなく、面担が直接PCモニタで組み付けていました。データを降版するとすぐ輪転機がある1階に駆け下り、出てくるシルバーマスターの出来を見ながら機長に渡していたあの頃も、気付けば遠い遠い昔になりました。
編集局の下から今は無きハマダの輪転機の音が響き始めると、一服してから次の担当面に取りかかったものです。
当時の整理部は各社とも日陰な不人気セクションの代名詞で、組版も大好き人間な私は変わり者の部類でしたが、先日聞いた話では、いまの記者にとっては決まった時間に帰宅できる整理部が一番人気だそうで、時代も変われば変わるものです。