社会的性差の影響がわたしにとって少ないのは、中学生くらいのころからフェミニズム的な本を読んだりしてきたのと、家庭環境的に祖父と父親がダメ人間だったので男性依存戦略=ハイリスク、というイメージが叩き込まれてきているからで、いちおうジェンダー規範的教育は受けてますし、女性は受動的なほうが得するのもわかるんですよね。
それこそ「蘇我さんは男性的だから仕事を頼みやすい」とかいう人たちにとって、受動的な女性のほうが女性としては望ましいわけでしょ。
その場で上司と揉めるのも面倒だが「性差の問題じゃないですよー。男性でもそういう人はいるし」って言ってみたけれど、あまり伝わった気はしなかった。
日本では男性も受動的な方が得するからな。
また日本の場合、社会福祉が企業の福利厚生に頼る部分が多いために、転職がハイリスクです。
昨今話題のベビーシッター利用券だって、アレ、事業者が申請するやつだからね。雇われてる企業が申請確保しててくれなきゃ使えないやつです。中小とかだと勤め先が対応してくれない場合が否めないし、非正規だともっと使用状況が厳しくなるでしょうね。
よく言われますけど、新卒で大企業入ってずーっと定年まで働けるのがいちばん楽チンコースだし、日本政府の社会設計もそうなってんですよ。
だからそもそもハイリスクだし、そのハイリスクを選んで転職する人は「ワケアリ」なのではという偏見がある。まあ最近は減ったと思うけどね。
なので、受動的にお仕事をして、波風を立てずに課長になって、自主性とかないほうがいい、というのが、日本の比較的恵まれた層のロールモデルとなってしまうのです。
わたしは大企業のおじさん(わたしはおばさんですよ!)と仕事してきたことが多いんですけど、大企業の課長クラスまでの生存戦略は、目立つことをしない、自主的に仕事をしないことなんですよ。そんなことある? まあ全部の会社そうじゃないとは思うけど、あるの。ほんとびっくり。
日本のマネジメントってまずマネジメント教育がないじゃん。マネージャー仕事をOJTするんだけど、そもそも継承しうる仕事として確立してなくて属人性が激しいわけよ。一般化できてない。
だからマネージャーがどう部下を評価するか、部下からしてもわからんわけね。そうすると、マイナスを減らす以外の選択肢はハイリスクなんだよね。
マイナスを減らすにはどうすればいいのか?
言われたことを完璧にやり、ほかのことはしない。できるだけ目立たない。これが最適解になるのです。うわー受動的〜。