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村づくりのためにボランティアを利用せよ、と言われた。

今年、2022 年の夏、「つなぐ棚田遺産認定地区意見交換会」で、高齢化・人口減少が進む棚田地区の代表として、いわゆる「村づくり」事業の困難さを行政担当者に対して説明した。

その中で、私は公益社団法人ひょうご農林機構が実施している「ふるさと村」という農村ボランティア制度を酷評した。

以下は、自分でウェブ上で調べたり、制度を利用したことのある人に聞いたりした、「ふるさと村」ボランティア制度の実情である。

・機構がやってくれるのは、実質的にはホームページによる宣伝だけ。
・ボランティア活動保険について、機構は一切関与せず、「受け入れ側の村でも加入しないから、参加者が自分で保険に加入してくれ」という態度。都会から現地への乗り合せの調整も出来ない、と言う。
・報告書の提出を求められる。
・遊びがてらの意識しかない参加者も多いので、純粋なボランティアを期待すると失望する。人集めの遊びの要素が必要で、そのコストも無視できない。
・参加者を最寄りの西脇市駅まで送迎しなければならないこともある。
・土日にしか予定を組めない。
・作業を覚えてもらうのに結構手間取るので、ボランティアの戦力化は困難。

すなわち、コスト・パフォーマンスが非常に悪い。

意見交換会には、ひょうご農林機構からも人が参加していた。

機構が実施している「ふるさと村」ボランティア制度を名指しで酷評されて、彼はどのように言ったか。

・「ふるさと村」はスキームが古い。レクリエーションを目的とする都会の人をターゲットとしている。
・純粋にボランティアに生き甲斐を感じている人たちをターゲットとした別の制度があるので、そちらを利用すべきである。

というのが彼の言葉だったと記憶する。カチンと来たので覚えている。

彼は自分たちがやっていることを簡単に「スキームが古い」と言って否定することが出来るのだ。「ふるさと村」は過去の制度ではないよ。今もやっている。3月には新聞広告すら打っている。

第二の点については、彼は「ボランティアから収奪せよ」と言っているように聞えた。「いや、本当に、何の見返りも期待せず、奉仕することに心から価値を見出している人たちが実際にいるんです。そういう人たちに働く場を提供するんです」と彼は力説した。

うん。そうだと思う。実際にそういう人がいるということには同意する。

しかし、公益法人の職員という役人に準ずる立場の人間が、そういうことを言って良いのかね。自助努力とボランティア頼みを言うだけなら、あんた要らないよね。

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