最近のバービーと原爆の最悪なネットスラングの一件に関して、「やっぱり日本人のこと心の中では下に見てた。差別してたんだ」という感じの呟きを結構見かけたが。
下に見てたのか!ではないのだ。
やっぱり、というような前置きがつく。
つまりそれって、知識としては知っていた。自分たちは有色人種であるというのは当然わかっていた。でも、日本の中にいれば多数派なので、生まれつきの肌の色を理由に唾を吐きかけられることも罵声を浴びせられることもここはお前らの入っていい場所じゃないとかここはお前が働ける場所じゃないとかそうした直球差別は受けない。
知っていただけで、されたとまでは感じ取った人が少ないから、話には聞いていたがこれか、になったのではと。
それは実際、アジア人蔑視が根強い地域に住む人との感情に隔たりが大きくあると思う。
言い方は悪いが、異国の地で個人単体で、原爆をネタにからかわれるのよりは遥かに少ない痛みでこれだけ大きな騒ぎになる。そして、それは遠く離れた場所でも話をちゃんと聞けば他人の経験を想像できるとは言い難い。
自分でもそうだが、日本人は差別されることに慣れていない。差別されることに慣れていいわけじゃないけど咄嗟に何されたかわからないほどに鈍い。してる自覚もあんまりない。
2年ほど前にあった仏国サッカー選手の差別発言だって日本人にわからないようにフランス語で「醜い面だ」とまで言われたのに差別か否かでSNSは意見が分かれた。
特に、ひろゆき氏や辻仁成氏がフランスで暮らしているがあの動画は差別じゃないという意見にを出したら食いつく人が一定数いた。
日本人が醜い人種だと有名な海外選手に馬鹿にされたわけじゃないという意見の方に縋るのはなかなか特殊な動きだと思う。
途中で、仏国在住の方が、ひろゆきさんや辻さんの収入源は日本でしょう?それは住んでいると言わない。その国の人に混じって働いて生活の基盤をすべてその国に持って行ってはじめて住んでいると言えるだから彼らは差別が本当の意味で理解できていないという記事が出たが、まぁあんまりそっちの意見が大きく広がらなかったのはどこかで「日本スゲー」と「文化が凄いから日本人も特別である」から抜け出せなかったのではないかと勝手ながら言ってみる。