自分へのメモとして記録。
映画 Barbie を観てきたので感想を描こうと思ったのだけれど、ピンクの能天気なバービーランドと現実社会の複雑な入れ子構造になっており、ある意味わかりやすかったオッペンハイマーよりずっと深く哲学的な内容だったためか、非常に難しかった。
一つ確実に感じたのは、「男性と女性では視聴後の感想が全く異なるだろう」という点。様々な暗喩や間接的表現を使いながらフェミニズムを時にコメディ的に揶揄しつつ(そうやってオブラートに包んで観る人が見ればわかるようにしてあるのだが)、女性が見ると「現実感が胸にせまり辛くなる」エピソードが、おそらく男性にはほぼ理解されないだろう、と思った。
例えば、ケンの鬱屈した「身の置き所のなさ」、「意見の尊重されなさ」、「軽んじられる日常」みたいな空気感は、その立場に置かれたことのない人には実感がわかないだろう。
そして素晴らしいレビューを読んでしまったので影響を受けすぎてしまい、これ以上のことを自分が言語化できるわけもなく。
色々読んだレビューの中でこれが最高峰、例のワーナーブラザーズ社による軽率なミーム事件が発生した遠因にも触れられていて秀逸(北村紗衣氏のレビューにハズレなしと再確認)。
ただかなりのネタバレなので、映画を観た後に読んだ方がよいです。
映画『バービー』レビュー──作品と“バーベンハイマー”対応に見る「創造主の地位の簒奪」
https://www.gqjapan.jp/article/20230810-barbie-movie-sae-kitamura-review