ちょっと前の話題ですが、
ヴィレッジヴァンガードの経営不審について書かれた記事によってSNS上でそれぞれのヴィレバン論が展開されていました
https://toyokeizai.net/articles/-/822603?display=b
この話って
ちょうど90年代サブカルと2000年代初頭のインターネットの狭間で隆盛を誇った「ヴィレバン的なカルチャー」という特殊領域への言及だと個人的に感じてて、
さらに
個人的な思い出で言及すると、ヴィレバンと言えばラーメンズだと感じてて
彼らの売れ方がそのヴィレバン的な領域とプラス2000年代インターネット掲示板&フラッシュ動画文化が当時の深夜ネタ番組の領域と肉薄していたからこそ取れた局所的天下だったと思っています
ラーメンズがかつて居た地点がヴィレッジヴァンガードのある種の黄金期で、その活動が公共化していった(小林賢太郎さんが劇作家化し、片桐さんは俳優やNHK子供番組とかのレギュラーになってライヴシーンのカリスマとは異なっていった)時系列とヴィレバンのモール出店による大衆化が重なっているように思えます
https://x.com/sirunashit/status/333147398656376832?s=46&t=j3gY_2YPZ1Vs4ikiex1bqw
ですが、
現状はそのちいかわ的なコンテンツの持つアングラ性ではなく、むしろそれと清濁されてるポップ性の方が目立ってて、ヴィレバン的な磁場と化学反応を起こす事なく、ややハック気味に喰われてしまってる状態なのだと思います
ちいかわがヴィレバンに置かれてるというより、
ヴィレバンがちいかわのセレクトショップ化してる雰囲気がある
その上で、ネットカルチャーは基本的にそれを踏まえた上で包括的にどちらでも成立するような二極化を同時並行で進めてゆくようなバランスを携えたヒット作がほとんどだと思うので、ざっくりと端的に言うとちいかわ的なネット発のコンテンツは、かつてのラーメンズのように「ヴィレバンというハブを経由しなくてもアングラファン層にもポップファン層にも各受け手に届く」ようになってるのだと感じています
(というかもっと単純に、その隅々にまでSNSのプラットフォームが敷かれただけとも言えます)
ヴィレバンに対するネット上での一連のネガティブな話題はそういった、「ツールとしてのサブカルという機能が解けた事によって引き起こった現象」だとも思います
しかし、
個人的にはそういうカルチャーが好きなので、ヴィレバンという伝統芸能と化してほしいなとも思ったりします
思うに、
かつての70年代〜90年代のテレビ黄金期に耕され発酵し純正栽培されてたサブカルチャー的なものの最後の収穫物に、上記したラーメンズや鳥肌実などの露悪文化なども注入されてたであろう曖昧な半ネットサブカルみたいな感触のゾーンがあって、
それはかつてのヴィレバン的な領域の中心点でもあって、
これが2000年代のインターネットカルチャーの下地に敷かれて今現在のSNS文化に繋がっているのだと感じています
例えば
ちいかわとかって
本来ならその内容やストーリーのメタファー的な複雑さやコンセプチュアルな社会批評的な視点などを加味すると、
むしろかつての露悪カルチャー的な要素も孕まれてると言いますか、それを子供にも見せれるように昇華した作品性があって、それってバカボンとかみなしごハッチとかの70年代辺りのテレビアニメーション的な大衆に紛れ込まさせてるアングラ(をトレースした作品)みたいなバランスでかつての「ヴィレバン性」にフィットしてるようなコンテンツだと思います
(それは、おぱんちゅうさぎや地元最高!とかも)
https://x.com/chikapon291/status/1773916387360293112?s=46&t=j3gY_2YPZ1Vs4ikiex1bqw