大江健三郎氏の作品
万延元年のフットボールと燃え上がる緑の木比べるとそうホントに単純に比較すると万延元年の方が人間の愚かさ等が陰惨な形では無く比較的カラッと描かれているように思えそれ故に好きかなぁ。さぁシトロエンに乗って出発だ!とか鶏を数千羽も破棄せねばならなくなった際に固形スープでも作るかね?などというクスッと微笑みを誘発するある意味愚かかもしれませんが別の角度から光を当てれば心優しきユーモアとでもいいますかこの辺りのセンスオブユーモアが燃え上がる緑の木の場合少ないように感じてしまう。有るにはあるのだろうけど何というか陰惨な感じ。燃え上がる緑の木は迷える魂をより善き方向へガイダンスする指南書といった感が強すぎて読んでるとググーっと鉛のような何かが意識の底の方に沈殿していく気持ちになるのです。素晴らしい作品ではありますがデイリーユースとしての読み物としてはちと重いヘビーかなぁといったところです。

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蜜三郎に対して鷹四が俺の片目をお前にやると提言しそれに対しての蜜の返答から繰り広げられていくあのあたりの箇所はその後の陰惨極まる展開に繋がっていくのですがなんだろ物語全編通しての通奏低音基調としては四国の森を舞台にした愚かさに満ち溢れた愛すべき魂達のロードムービーみたいに思える。

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