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住民視点の公開へ正念場 - 琉球新報デジタル ryukyushimpo.jp/news/national/

“県が公開方針を示した第5坑口周辺は米軍史料で「女性たちの部屋」があったとされる。ただ、県が司令部壕の説明板から「慰安婦」「住民虐殺」の文言を削除したり、県平和祈念資料館のリニューアルで日本兵が住民に向けた銃を外したりするなど、残虐性を薄める試みも過去にあった。司令部壕を通して伝えるべき「沖縄戦の実相」は、県政交代でねじ曲げられることがあってはならない。
 沖縄戦を語る上で、戦争に至った経緯も外せない。近代日本の侵略戦争・植民地支配の残虐性は沖縄に持ち込まれた。多くの部隊が中国戦線からの転戦で、後に沖縄戦を率いた第32軍の牛島満司令官や長勇参謀長は南京大虐殺に関わっていた。牛島氏は第6師団隷下の36旅団長として南京攻撃に加わり、長氏は中国兵捕虜について「ヤッチマエ」と殺害を指示。慰安所を沖縄に持ち込んだ。
 沖縄戦のさなかに司令部壕で発せられた第32軍の「スパイ禁止」命令は県民を恐怖に陥れ、各地で虐殺を引き起こした。司令部壕は差別、蔑視の発信源でもあった。壕周辺にはスパイとされ、惨殺された女性や米兵捕虜などの遺骨が埋まっている可能性が指摘され、発掘調査を求める声も高まる。”

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