アイヌは「アイヌなんてもういない」「“純粋”なアイヌじゃないくせに」を毎日浴びせかけられながら、アイデンティティにもがき苦しんでいる人たちもいる。
そして「よくも悪くも」、アイヌではない研究者たちが近くにいる。「よくも悪くも」というのは、それを決めるのはアイヌだと私は思っているからだ。もちろん和人から見ても明確に“食いもの”にしているだろうと批判に値する研究者もいる。
「忘れて」過ごしているのは基本的には和人のマジョリティなのではないのか。
何かで戸籍をとった時にルーツを初めて知る人もいれば、ルーツを知らない人もいるだろう。
なかったことにはならないし、少なくともヤマトマジョリティがそうさせてはならない。日本が迫害したエスニックマイノリティやディアスポラのアイデンティティは確実に「シンプル」なものではない。