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1945年4月2日『南北に分断された沖縄島』 - 〜シリーズ沖縄戦〜 neverforget1945.hatenablog.com

日本軍が琉球民族の年齢を問わずむちゃくちゃな動員を行い、「日本“本土”決戦」を遅らせるために振り回して利用し、スパイと疑っては殺害(一族郎党皆殺しの上家に放火した事例も少なくはない)、食べものを強奪し……と沖縄島上陸後からヤマトのやりたい放題の悪業が溢れかえる。

日本でもスパイ嫌疑や拉致拷問殺害はあった、「お国のために」と意味のない多くの供出もさせた。それでも「だから大変だったのは“沖縄県だけではない”」は通じない。そんなものは唾棄するしかない傲慢な入植者の詭弁だ。

米軍の上陸地点や進軍スピードを見誤った等の第32軍はおめおめと首里城地下(!)の壕にこもり、「捨て身の防衛」を唱え、結果として琉球民族を急ごしらえで「兵士」にしたてあげた人々を矢面に立たせた。
日本軍は人間を数多「使い捨てた」。けれどそこには「序列」があった。先住民族を利用し、「“日本人”なのだからお前も戦え」と押し迫ったくせに「所詮“日本人”ではない」と追い立て、疑い、殺し、殺させ、最前線に押しやり、巻き込み続け連れ回した。追いかけ回して略奪をした。

一切の言い訳の余地などない加害者としてのヤマトマジョリティ。

立場の交差性は明確だ。
「“日本人”なのだからお国の役に立って死ね」と迫り、「異なる言葉で話すな、“日本人”ではない」と命を奪う。
そもそもが1609年に武力併合を行った立場の者が、琉球民族の尊厳やアイデンティティを奪い、禁じ、挙句の果てに「日本人か否か」をジャッジし生き死にを操作する。そんなことが許されていいわけはないのだ。「日本兵士にも“いい人”はいた」「米軍兵士にもろくでなしはいた」などと、個別の事例で矮小化は不可能だ。
「国家神道」「現人神」を唱え、「大東亜共栄圏」というおぞましい虚ろな驕りで侵略と虐殺を行った日本に、人間の尊厳を尊ぶ在り方が「当然のこと」であったはずがない。
その選民思想と排外主義、植民地主義が、入植植民地としていた沖縄県に対して、どう牙を剥いたかは多くの記録や証言にあきらかである。
それすらも隠蔽し、随分と時間を経てからアメリカの記録によって明らかになる日本軍の戦時の蛮行もある。むしろまだ全てが公開されていないと考える方が妥当ではないか。

差別しているのだ。自ら武力併合を行い無理やり「日本国民」としたくせに、ヤマトマジョリティを第一とした「二等国民」と見なし、扱っているのだ。
それ以外に「説明」がつくだろうか。切り捨てて差し出すことを辞さないというのに。

8.15を待たずに牛島満は6.21(22説もあるが)に割腹だか銃だかでぬけぬけと幕をおろした。
天皇と大日本帝国にだけ向けた「ケジメ」という醜悪を極めたアピールだ。
「戦地」にし、多くの琉球民族を巻き込んで命を奪っておいて、後は知りませんと大本営だけに自身をアピールして一抜けだなんて、沖縄県を「本土上陸への時間稼ぎの“捨て石”」にした以外の何と言うべきだろうか。何も顧みてはいなかったことの証左だ。
最後まで守るべき土地だとは思っていなかったのだ。責任を少しでも感じていたのなら、そのような「後は知りません」という無責任な自決などとてもできないだろう。「もうここは終わりです」と思ったからこそ、そう切り捨てたからこそ、日本軍の将校たちは天皇に向けておぞましい「アピール」をしたのだ。

命懸けで最後まで死守すべき、決して放棄できない土地だとは思っていなかったのだ。
そもそもが第32軍に精鋭部隊として編入した第9師団を1944年11月に転出させている。
戦局の見誤りも大いにあったにせよ、琉球、沖縄県を守る意思はなかったということなのだろう。「時間稼ぎ」としか見ていなかった、まともな増援も送らなかった。見捨てた。
なぜそのような扱いをしたのかと思えば、やはり差別なのだ。我々は、琉球を常に「利用」している。今も。

国を、それまでの生活も文化風習も言語も伝統も奪い変えさせ、封殺しおとしめて、そのことを詫びることもしていない。なんの償いもしていない。なんの責任もとっていない。
その上で「琉球」という名を利用し、「異国情緒」として沖縄県を消費し、土地を食いものとし高値で売買するか日米両軍のために切り崩し埋め立てる。
そのような無礼で傲慢な振る舞いを改めないこともまた、差別が続いていることの現れだ。国連の勧告を無視して何年が経つ?15年以上ではないか?

これから先「日本」という国家がどれだけ存続するかはわからないが、1秒でも早く天皇制を解体し、国として謝罪をし責任を受けとめ、先住権と自己決定権を「正しく」返し、可能な文化継承への支援をすることを私は望む。
うやむやのままの現状維持を否定する。私の属するヤマトマジョリティの在り方を自分含め憎む。


「一切の言い訳の余地などない加害者としてのヤマトマジョリティ」、そう言われると辛い気もするが、おっしゃるとおりだと思う。

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