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社会研究所内のニーチェ批判(物質的欲求の充足を目指す社会的革命への実践的志向や勇気の欠如といったマルクス主義寄りの批判が大勢を占めた)の論陣に対し、ニーチェの文化批判を擁護するアドルノには市民→民衆→大衆というコースを辿るアメリカ社会の現実が念頭にあり、民主主義や社会主義といったものが政治的利害を代弁する宣伝手段といった意味での「イデオロギー」になってしまった今、意識に燃えたプロレタリアートによる、社会体制の全面的改革など一種の偶像崇拝であると批判者のマルクス主義的認識を斥ける。アドルノから見たニーチェの「超人」概念は、全体主義、独裁主義的なカリスマ的権威を指すのではなく、絶えず自己の限界を超えていく自己超越、自己克服能力の持ち主のことを指す反省的な主体である。

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