以前いた別の事業所は、基本的に前科者刺青者ばかりで、経営者から末端労働者まで遵法意識や娑婆の常識とは無縁で、まとまったカネが入れば賭博と娼館で派手に使い、酒は浴びるほど飲んで周囲に派手におごり、きつい肉体労働をしている上、刑務所に入っても出たらまた同じ仕事をすればいい程度にしか考えてやいので、土地のチンピラ地回りなんか屁でもなく、仲間がひとり殴られたら総出で探して報復し、サツやさらなる報復が来る前に立ち去っているという渡世だったので、市井の堅気の青瓢箪のクレームに屈するというか、そもそも堅気がクレームをいうという発想がなかった。戦闘力と前科前歴が屁でもない人生観はすべてを粉砕する。