稲田俊輔『おいしいものでできている』ポジネガ両方ある感想 

私もまたこの人とは別種の食いしん坊なので、わかるところもわからないところも興味深いところもあり面白かった。
けど、なんかそこはかとなくミソジニックな部分がある気がする……外食先でたまたま居合わせた女性客についての描写とか。めっちゃ女性蔑視って言うより、女性を一人の人間ではなく女性というカテゴリでまず見ていて偏見っぽい脚色をしていないか?みたいな。
あとは良くも悪くも視界に全く入っていない部分があるんだな、みたいな。「なぜ素人の手打ち蕎麦は周囲に嫌がられるのか?」という話題で、「華々しい作業だけやって後片付けなどをしない」という類話が一切触れられず、ひたすら味の観点の話になってるのはいっそ清々しいと思う。多分稲田さんが話したかったのは手打ち蕎麦を打っていたおじさんの話であって(そしておそらくその人は片付けをちゃんとしていたのだろう)社会にある傾向についてはそんなに重要でなかったのかもしれない。
littlemore.co.jp/isbn978489815

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稲田俊輔『おいしいものでできている』ポジネガ両方ある感想 

おそらく、祖母の影響が大きかったと語るように「自分は女性を尊敬している」という意識がすごいあって、ポテサラの項を読む感じそれなりにジェンダー観についても同年代の男性と比較すれば気をつけておられる方で、それでもまろび出てしまうものがある、という感じなんだろうなと思う。だから露骨な悪意!蔑視!という感じのものに比べればそんなに嫌な気持ちなく読めたと思う。
長らくプロ料理人の世界は男性、家庭料理の世界は女性に比重が寄ってたことを考えると、でっかいねじれを直していく過程のすごく小さな一部のような気もする。

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