ただし,僕自身は彼女のように up tempo であらかじめ用意された台本でどんどん理詰めの議論をたたみかけてゆくような話し方より,その場で考えて,考えあぐんだときに話が止まってしまうような話し方の方が親近感がわく.これは僕自身がそういう話し方しかできないからなのかもしれないが.
Mai Thi Nguyen-Kim の場合には,台本に meta I の自己言及が沢山うまく組み込まれていることが,まあ救いといえば救いなんだけれど.これは youtuber だったころからの彼女の talk の特徴なので,造られたものというよりは彼女本来の持ち味なんだろうが.
covid-19の始まりのころに見た,それに関したトーク番組で,Mai Thi Nguyen-Kim がパネリストの一人だった.このトークにビデオ参加したどこかの州の Ministerpresident (男性形の名詞である) が,多分彼女が誰だか知らなくて,mansplain しようとしかけたのを,彼女が理詰めでやりこめてしまったのを見たことがあった.
日本の政治家だったら,「それは屁理屈だ」とかなんとか言って自分の白痴度をさらしきってしまっていたところだと思うが,ドイツの政治家はそこまでは低脳でないので,自分の議論の齟齬を認めて,いやいやながらも引き下がったのは見ていて面白かった.
#ドイツ人